アベハゼ(読み)あべはぜ(その他表記)estuarine goby

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アベハゼ」の意味・わかりやすい解説

アベハゼ
あべはぜ / 阿部沙魚
estuarine goby
[学] Mugilogobius abei

硬骨魚綱スズキ目ハゼ科に属する魚。本州中部より南西諸島までの各地および中国南部、海南島に分布する。河口域およびそこに通ずる水路の汚れた砂泥底の浅所にすむ。尾柄部にある黒色の2縦帯は特徴となる。体長6センチメートルに達し、雄は雌より大きくなり、その第1背びれの第1~第4棘条(きょくじょう)は糸状に伸びる。東京湾における産卵期は4~8月で、盛期は5~6月である。石や瓦(かわら)の破片などの下面に卵塊を産み付け、雄の親魚がそれを守る。雑食性。淡水の小形水槽で飼育が容易であり、観賞用になる。

[道津喜衛]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android