日本大百科全書(ニッポニカ) 「アマールリク」の意味・わかりやすい解説
アマールリク
あまーるりく
Андрей Алексеевич Амальрик/Andrey Alekseevich Amal'rik
(1937―1980)
1960年代ソ連の指導的人権活動家、社会評論家、歴史家、劇作家。1963年モスクワ大学を政治的理由で追放される。非正統派マルクス主義的見解をもち、西側の外交官や通信記者と接触したとして1965年に逮捕、2年半の流刑を言い渡される。その後判決が覆され、1966年モスクワへ戻る。1969年『気に染まぬシベリア行き』『ソ連は1984年まで生きのびるか』を地下論文(サミズダート)で発表、西側で一躍有名になる。このため1970年にふたたび逮捕され、5年間収容所生活を送る。釈放後はモスクワ居住を禁止され、1976年出国を余儀なくされた。フランスに移住後も活動を続けていたが、1980年11月国際会議へ赴く途上、スペイン北部でトラックと衝突、即死した。
[正垣親一]
『原子林二郎訳『ソ連は1984年まで生きのびるか』(1970・時事通信社)』▽『内村剛介編、中田甫訳『現代ロシヤ抵抗文集第7 気に染まぬシベリヤ行き』(1972・勁草書房)』▽『Amal'rik : Notes of a Revolutionary(1982, Alfred A. Knopf, New York)』