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1984年 せんきゅうひゃくはちじゅうよねんNineteen Eighty-four

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

1984年
せんきゅうひゃくはちじゅうよねん
Nineteen Eighty-four

イギリスの小説家 G.オーウェルの風刺的未来小説。 1949年刊。前作『動物農場』では動物寓話の形によって,スターリンの独裁政治を痛烈に批判したが,『1984年』でもこのテーマをさらに徹底的に追求し,オセアニアユーラシア,イースタシアの三超大国が対立する 1984年の世界を描いている。「偉大な兄弟」という独裁者が君臨するオセアニアでは,「平和省」が戦争を,「愛省」が思想統制を遂行し,「豊富省」が窮乏をもたらしている。一切の情報,歴史は「真理省」によって独裁者の思うままに改竄,抹消,捏造されて,国民の行動はテレスクリーンに絶えず映し出され,思考も,権力者による思想統制に都合のよいようにつくられた新言語である「ニュースピーク」という枠にはめこまれ,政府の思うままにあやつられてしまう。作者はここで,真理省に勤務する下級官吏の主人公ウィンストン・スミスの運命を通して,恐るべき未来全体主義への絶望感を表現している。

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世界大百科事典 第2版の解説

せんきゅうひゃくはちじゅうよねん【1984年 Nineteen Eighty‐Four】

イギリスの小説家G.オーウェルの逆ユートピア小説。1949年刊。1984年の架空の超大国オセアニアにおける,全体主義的支配の様相を描いた著者晩年の作品。権力集中が自己目的化した党による大衆(プロレ階級)支配,支配手段としての恒常的な戦争状態の維持,半ば神格化した指導者ビッグ・ブラザー崇拝,個人生活の監視,思想統制を目的とする言語の簡略化,党の無謬(むびゆう)性を証明するための歴史の書きかえなど,あらゆる支配機構が内包する危険性が未来小説の形で提示される。

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世界大百科事典内の1984年の言及

【ニューメディア】より

…そのため,民間レベルから実質的な要求が生まれる以前に,〈ニューメディア〉の名を冠したさまざまなプロジェクトが政府・企業のなかから矢継ぎ早に提出された。 1984年9月から電電公社(現,日本電信電話株式会社)が東京の三鷹,武蔵野で実験を開始した光ファイバーによるディジタル通信網INS(Informahon Network System)〈高度情報通信システム〉,11月から同じく電電公社が回線とシステムを,民間491社が情報ソフトを提供して実用サービスを開始したキャプテン・システムは,ニューメディア・ブームの具体的なモデルケースとして大々的に宣伝された。当時の〈ニューメディア構想〉では,1990年代に,INSの全国ネットワーク,無線系の直接衛星放送,高品位テレビ放送,文字多重放送,ファクシミリ放送,静止画放送,有線系のCATV,ビデオテックス(キャプテン),VRS(画像応答システム),テレビ電話,ファクシミリ通信,さらには個別のパソコンやビデオの出力に至るさまざまな情報・通信経路が,1台の端末(テレビ受像器)に統合されるはずであった。…

【ユートピア】より

… 第2には,反ユートピア(ディストピア)論の登場である。J.ロンドン《鉄のかかと》(1907),E.I.ザミャーチン《われら》(1924),A.L.ハクスリー《すばらしい新世界》(1932),G.オーウェル《1984年》(1949)などの代表例が挙げられる。これらは,理想国家として建設されたはずのユートピアが,かえってその強大な支配力によって人間を不自由化する,というモティーフにもとづいており,社会主義計画経済やケインズ主義政策などの定着の反面であらわになった矛盾に,敏感に反応した文学的表現といえる。…

※「1984年」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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