化学辞典 第2版 「アミド硫酸」の解説
アミド硫酸(塩)
アミドリュウサン
amidosulfuric acid(amidosulfate)
NH2SO3H(97.09).アミドスルホン酸(amidosulfonic acid),スルファミン酸(sulfamic acid)ともいう.クロロスルホン酸とアンモニア,発煙硫酸と尿素またはアンモニアとの反応でつくる.無色,斜方晶系の板状結晶.密度2.15 g cm-3.分子はSのまわりにN原子1個,O原子3個がひずんだ四面体状に結合している.205 ℃ で分解する.水溶液は強酸性を示し,加熱すると加水分解してNH4HSO4になる.容量分析の標準溶液に用いられるほか,金属や陶磁器の洗浄,防燃剤,アンモニウム塩の合成原料などに用いられる.アミド硫酸塩は,アミド硫酸と金属の水酸化物または炭酸塩の反応で得られ,水に可溶性のものが多い.NH2SO3-は,四面体型で,たとえばカリウム塩では,S-N1.67 Å,S-O約1.46 Å.∠O-S-N105°,∠O-S-O約113°.アンモニウム塩は無色の結晶.融点131 ℃.水に可溶.繊維の難燃化,除草剤などに用いられる.[CAS 5329-14-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報