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発煙硫酸 はつえんりゅうさんfuming sulfuric acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発煙硫酸
はつえんりゅうさん
fuming sulfuric acid

硫酸に多量の三酸化硫黄 SO3 を吸収させたもの。 SO3 の蒸気を発し,これが大気中で反応して白煙となる。 SO3 含量 40~60%および 70%以上では固体。含量の少ないものは無色粘稠な液体。腐食性が激しく,取扱いには十分の注意を要する。希硝酸から濃硝酸をつくるのに多量に使われ,またスルホン化剤,脱水剤,酸化剤として用いられる。火薬染料などの製造に重要である。

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デジタル大辞泉の解説

はつえん‐りゅうさん〔‐リウサン〕【発煙硫酸】

濃硫酸に多量の三酸化硫黄を吸収させたもの。粘度の高い油状の液体。常温で三酸化硫黄の白煙を出す。接触法による硫酸製造の際に得られ、染料・火薬・薬品などの原料とする。

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百科事典マイペディアの解説

発煙硫酸【はつえんりゅうさん】

97〜98%の濃硫酸に三酸化硫黄SO3を吸収させたもの。空気中ではSO3ガスを発生して白煙を生ずる。SO3含有量がおよそ40〜60%または70%以上のものは常温で無色の固体,それ以外のものは常温で液体。
→関連項目クニーチ硫酸

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大辞林 第三版の解説

はつえんりゅうさん【発煙硫酸】

濃硫酸に多量の三酸化硫黄を吸収させたもので、空気中で白煙を出す。粘度の高い油状液体で、火薬や有機合成でのスルホン化剤などに用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

発煙硫酸
はつえんりゅうさん
fuming sulfuric acid

濃硫酸に多量の三酸化硫黄(いおう)SO3を吸収させたもの。SO3の含有量の低いものは粘性のある油状の液体で、オレウムoleumともよばれる。つねに三酸化硫黄の蒸気を発して白煙を出すのでこの名がある。接触式硫酸製造法において、三酸化硫黄の溶解量(遊離SO3という)が30%以下のものがつくられる(これを水で希釈して濃硫酸としている)。SO3濃度が高くなると固体となる。おもな成分は二硫酸H2S2O7のようなポリ硫酸である。SO3 25%の比重1.9262(15℃)。融点-11℃(SO3 20%)、-0.6℃(SO3 25%)、15.2℃(SO3 30%)。水に触れると強く発熱する。ほとんどの金属を侵す。皮膚に触れると重症のやけどを生じるので取扱い注意。クロロ硫酸の原料として染料、火薬、薬品の原料に用いられる。[守永健一・中原勝儼]

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世界大百科事典内の発煙硫酸の言及

【硫酸】より

… 2H2SO4⇄H2S2O7+H2O H2SO4+H2O⇄H3O+HSO4 H2SO4+H2S2O7⇄H3SO4+HS2O7 2H2SO4⇄H3SO4+HSO4最後の式に示す自己解離の平衡は大きく左に偏っている。濃硫酸に三酸化硫黄を溶かし込んだものは発煙硫酸と呼ばれ,当モルの混合物とした場合の主成分は二硫酸H2S2O7である。硫酸は強い二塩基酸であり希硫酸(希水溶液)中では第1段の解離はほとんど完全であり第2段の解離定数はK2=2×10-2(18℃)である。…

※「発煙硫酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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