大学事典 「アメリカ大学協会」の解説
アメリカ大学協会
アメリカだいがくきょうかい
アメリカ合衆国の大学の学術,とくに博士学位の水準維持に関心を抱いたシカゴ,ハーヴァード,カリフォルニア等14大学が1900年に結成した,研究指向の強い大学の団体。2018年現在の会員校は,カナダの2大学を含め62校である。会員校の4分の3の賛成をもとに入会の招待を受けて,初めて会員校となる仕組みで,資格基準は厳しく,発足以来,創設会員校の2校を含む4校が会員資格を返上ないし喪失した。発足時のおもな関心は,当時乱発が懸念されていた博士学位の授与条件の標準化であり,大学院部長たちが協会の主役となった。他方,ドイツの諸大学が会員校の卒業生の入学を優遇したため,国内の大学の資格認定(accreditation)を実施する役割も担った。スプートニク・ショック以降は,急増した連邦政府の研究補助金と,それを受けての会員校での研究活動を調整し,さらに最近では減少する補助金の確保と適正な配分のため,強力なロビー活動を展開している。
著者: 立川明
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報