アメリカ科学財団(読み)アメリカかがくざいだん(その他表記)National Science Foundation

改訂新版 世界大百科事典 「アメリカ科学財団」の意味・わかりやすい解説

アメリカ科学財団 (アメリカかがくざいだん)
National Science Foundation

アメリカにおける中・長期の科学政策と科学教育に対する国家的政策を立案・推進することを目的として1950年に設立された政府機関。通常NSF略称・略記される。レーダー原子爆弾など高度な科学兵器が重要な役割を果たした第2次大戦の経験に基づいて設立されたもので,財団の運営にあたる理事会(National Science Board)は,大統領によって任命される非常勤の科学者,技術者,研究行政官によって構成される。NSFの予算額は,アメリカにおける研究開発費全体の中では小さな比率を占めるにすぎないが,大学などにおける基礎科学的な研究にとっては重要な財源となっている。またNSFは,科学政策立案の基礎データとして,研究開発にかかわる各種の統計資料を収集・整備し,そのうち重要なものを公刊している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアメリカ科学財団の言及

【科学技術政策】より

… 科学技術に関する行政は伝統的に各省に分属して行われてきたが,これを総合的にみるため,現在は76年に置かれた科学技術政策局Office of Science and Technology Policyがあり,政策,予算編成等における助言的機能を果たしている。またアメリカ科学財団(NSF)は基礎研究,教育に対する助成機関であるが,77年以来,傘下の全米科学審議会National Science Boardの審議をふまえ,アメリカの科学の現状および問題点を評価分析して,大統領および議会に報告する権限を与えられた。このほか各省ごとに研究開発を調整する機能ができている。…

※「アメリカ科学財団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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