日本大百科全書(ニッポニカ) 「アラジンと魔法のランプ」の意味・わかりやすい解説
アラジンと魔法のランプ
あらじんとまほうのらんぷ
‘Alā' al-dīn w'alqindīl al-mashūr
エジプトで書かれたアラビア語の説話。18世紀初めフランスのA・ガランが初めて『千一夜物語』のなかで『アラッディンまたは不思議なランプ』Aladdin ou la lampe merveilleuseの題で仏語訳した。シナのある都に住む貧しい少年が、極西の国からきた魔法使いにより地下の宝庫に入れられ、魔物を駆使するランプと指環を入手、それにより巨富を得、帝王の娘を妻とし、のちに帝位を継ぐという波瀾(はらん)に富む説話。原典の所在不明のため、ガラン自身の創作と疑うものもあったが、19世紀末ゾータンベールH. Zotenbergがパリの国立図書館で2種の写本を発見、そのうち1703年のバグダード写本を1887年に出版した。
[前嶋信次]