精選版 日本国語大辞典 「あらぬ」の意味・読み・例文・類語
あら‐ぬ
- 〘 連体詞 〙 ( 「あらず(不有)」の連体修飾用法が特殊化したもの )
- ① ( そうではないの意から ) そのものとは違った。別の。
- [初出の実例]「いとよくゑみたる顔のさし出でたるも、なほのりたかなめりとて見やりたれば、あらぬ顔なり」(出典:枕草子(10C終)四九)
- ② あたりまえのこととは違ったさまの。
《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...