アリスアブバエ(読み)ありすあぶばえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリスアブバエ」の意味・わかりやすい解説

アリスアブバエ
ありすあぶばえ / 蟻巣虻蠅

昆虫綱双翅(そうし)目ハエ群アブバエ科のアリスアブバエ亜科Microdontinaeの総称腹部円形に近いものや長いものがあり、長い微毛に覆われている。はねは小さく、斑紋(はんもん)はない。幼虫ヨメガカサ(嫁が笠)型とよばれる特異な形態をしている。楕円(だえん)形でほぼ半球状に隆起し、堅い革質で網目状の細かい彫刻がある。腹面は平たく、初めて発見されたときは貝類と間違えられて記載されたという逸話がある。幼虫は、アリ、ときにはシロアリの巣に共生し、残りくずを食べている。日本にはキンアリスアブバエ、フタオビアリスアブバエなど数種がいる。

[伊藤修四郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android