改訂新版 世界大百科事典 「アルグン川」の意味・わかりやすい解説
アルグン[川] (額爾古納河
)
Argun'
ロシア連邦東部,中国東北部にあるアムール川の大支流。長さ1520km,流域面積16万9700km2。はじめ中国領内の大興安嶺西斜面におこり,ハイラル川(海拉爾河)と呼ばれ,西流してハイラル市北郊をよぎってマンチュリー(満洲里)東方で大きく北東に湾曲,ふたたび大興安嶺の支脈を深く下刻して流れ,左岸からシルカ川をあわせてアムール川本流となる。マンチュリー東方の湾曲部からシルカ川合流点までの約950kmは中国とロシアとの国境を形づくる。また,マンチュリー南方の呼倫池の水は多雨の年にだけ溢流してアルグン川に流れ込む。おもな支流は右岸の根河,激流河,左岸のガジムル川など。本支流は古来,水上交通によく利用されているが,10月下旬から翌年5月上旬までは結氷する。
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報