化学辞典 第2版 「アルシン酸」の解説
アルシン酸
アルシンサン
arsinic acid
五価ヒ素のオキシ酸誘導体の一つで,R2AsO(OH)で示される一連の化合物(Rはアルキル基).亜ヒ酸の三アルカリ塩とハロゲン化アルキルとから合成される.
2RX + As(ONa)3 → R2AsO(OH)
このとき,ハロゲン化アルキルを亜ヒ酸塩に対して等モル量用いると,アルソン酸RAsO(OH)2となる.無色の結晶.有機溶媒に可溶.種々の有機ヒ素化合物の出発原料となる.なお,フェニルアルシン酸とよばれているのは,二塩基酸のベンゼンアルソン酸C6H5AsO(OH)2のことで,アルシン酸の一つではない.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報