日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハロゲン化アルキル」の意味・わかりやすい解説
ハロゲン化アルキル
はろげんかあるきる
alkyl halide
アルカン(脂肪族鎖式飽和炭化水素)の水素原子1個をハロゲン原子で置換した化合物の総称。ハロアルカンhaloalkaneともいう。一般式CnH2n+1X(Xはフッ素F、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素I)で表される。また、アルキル基をRで示しRXの略号で表されることが多い。
塩化アルキルは、対応する炭化水素に光照射(または高温)下で塩素と反応させると得られるが、多塩化物を副生する。対応するアルコールとハロゲン化水素酸(HX)との反応によれば単一に得られる。
臭化アルキルは、アルケン(一般式CnH2n)に臭化水素を付加させても得られる。
塩化アルキルにフッ化水素(触媒下)を反応させるとフッ化アルキルが得られ、極性溶媒中で塩化アルキルとヨウ化カリウムと反応させるとヨウ化アルキルが得られる。フッ化物以外のハロゲン化アルキルはアルキル化剤として用いられる。揮発しやすく快香をもち、徐々に加水分解してアルコールを生ずる。一般に有毒であり、取扱いには注意を要する。
[加治有恒・廣田 穰 2015年3月19日]