アルトホーフ(英語表記)Friedrich

大学事典 「アルトホーフ」の解説

アルトホーフ
Friedrich

プロイセンの文部官僚で,人事と予算を通じて学術行政に辣腕をふるい,ドイツの近代科学の発展に大きく貢献した。1839年,ライン地方のディンスラーケンに生まれ,ギムナジウム修了後,56年からボン大学,ベルリン大学(現,ベルリン・フンボルト大学)で学ぶ。1862年,法学の第2次国家試験に合格。弁護士を開業後,1871年にシュトラスブルクで行政官のキャリアを開始し,82年にプロイセンの文部省に着任。1907年に69歳で同省を退職するまでの25年間,審議官局長として大学,学術の発展に尽力。大学から提案される教授候補者ではなく,自身のネットワークで確認した研究能力を有する者を教授として招聘する,大蔵省と交渉して研究所を新設するなどの手法で,プロイセンの大学を拡充・発展させた。エールリッヒ(Paul Ehrlich)フィッシャー(Hermann Emil Fischer)などを招聘し,その中から多数のノーベル賞受賞者を輩出した。彼を中心とした体制は「アルトホーフ体制System Althoff」と称された。
著者: 長島啓記

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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