最新 地学事典 「アルプス変成帯」の解説
アルプスへんせいたい
アルプス変成帯
Alpine metamorphic belt
白亜紀から古第三紀にかけて,ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸が衝突した際に形成された高圧型変成岩類の分布範囲。狭義のアルプス変成帯はジェノバからウィーンに至る延長約700㎞の急峻な山岳地帯を形成。イタリア・フランス・スイス地域の西アルプスとオーストリア地域の東アルプスに区分され,西アルプスの変成岩ナップが東アルプスの変成岩ナップの下位に分布する。西アルプスは内帯(南側あるいは東側)のペンニン帯と外帯のヘルベチア帯に区分される。ペンニン帯は古生代後期の結晶質基盤岩類を核としてテチス海の海洋地殻や堆積物を原岩とする複数の大規模ナップで構成。高度変成岩類はペンニン帯に限られる。変成作用は,早期の高圧・超高圧変成作用と,高圧変成岩が上昇期に被った後期の中圧型レポンティン変成作用の2段階。高度変成岩類の大半は石英エクロジャイト相か青色片岩相の変成岩である。ドラマイラ岩体南部とマッターホルン南方のLago di Chignanaからは超高圧変成岩が見いだされ,各々の変成年代は35Maと40Maであり,石英エクロジャイト相の変成年代(65Ma)とは異なる。参考文献:Johnson et al.(2012) Orogenesis, The making of Mountains
執筆者:平島 崇男
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

