平島(読み)ヒラジマ

デジタル大辞泉 「平島」の意味・読み・例文・類語

ひら‐じま【平島】

《「ひらしま」とも》平らな小島。

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精選版 日本国語大辞典 「平島」の意味・読み・例文・類語

ひら‐じま【平島】

  1. 〘 名詞 〙 平らな小さい島。また、海中から突き出て平たい山をなしている島。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕

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日本歴史地名大系 「平島」の解説

平島
ひらしま

[現在地名]崎戸町平島

五島中通なかどおり島の東にある平島を村域とする。北東部に南風泊はえどまり浦、中央部にしら岳があり、南部に相崎あいさきノ鼻とこも崎がつくる入江がある。南西方に相之あいの(現有川町)が浮ぶ。永禄―元亀年間(一五五八―七三)に数名の来住者があって島を開いたと伝えるが、また七左衛門が当島を発見して大村氏に報じたともいう。江戸時代は大村領の外海そとめに属し、慶長高帳では外浦衆の知行となっている。慶長一〇年(一六〇五)の大村領内高目録に平島とみえ、高一二石余で、田七反余・畠八反余、物成六石余。同一七年の総検地では高三〇石余となるが(同一八年彼杵郡内検高目録)、朱印高は一二石余とされた(元和三年「大村純頼領知目録」大村家記)。慶長国絵図でも高一二石余。元和三年(一六一七)のイエズス会管区長宛のキリシタン連判書付に「五島平島」の「満るちいの上かい」「へいとろ与左衛門」「ゑすてハん九良衛門」「はうろ孫五衛門」らキリシタンの代表者と考えられる七名が署名している。正保郷帳(大村見聞集)では田八石余・畠三石余。寛文四年(一六六四)の大村純長領知目録(寛文朱印留)でも平島とみえ、元禄国絵図では平島は長さ二一町・横一〇町とある。

正保元年(一六四四)に幕府の命で大村藩が異国船警備のために設置した崎戸大番所が管轄する小番所が置かれ、異国船の監視を行った。この平島番所は外海一六ヵ所番の一つとして小給一、小船一・水主二が配備された(大村見聞集)。「大村郷村記」では平島在番所として軍弓二・空穂二・鉄砲一〇・玉箱一・鎗三・三つ道具一・幕半頭・高張二・水掃一〇・番船一などを備え、番士一人を配するという。高岩の辻たかいわのつじに遠見番所が置かれ、異国船の漂着など洋中の変を監視してきたが、貞享四年(一六八七)五島領との境目をめぐる相論があったことから遠見番を取立てたという。


平島
たいらじま

[現在地名]十島村平島

とから列島中の火山性の周囲約七キロの島。面積二・〇八平方キロ。最高峰は標高二四二・九メートルの岳。南部西岸に南之浜みなみのはま港がある。北に臥蛇がじや島、北東に中之なかの島、南に悪石あくせき島がある。

〔近世〕

河辺郡しち島のうち。鹿児島藩船奉行の管轄下、口之くちの島に派遣された在番が管轄した。在番の指示の下で島民中から任命された平島郡司が浦役を兼ねながら島政にあたった。また口之島に派遣された横目の下、島民中から選ばれた二人の横目(島横目)がいた。幕末―明治初年の郡司は日高善左衛門・日高理右衛門・日高英助、横目代は日高仁右衛門であった(十島村文化財調査報告書)。元禄国絵図に島名がみえ、島回三二町とある。「大御支配次第帳」によれば、享保一二年(一七二七)に平島でも検地が実施され、検地竿次名寄帳二冊が作成されたが現存しない。藤井本「要用集抄」によれば、正徳三年(一七一三)頃の高七五石余、用夫五七、鹿児島から海路一〇〇里。「三州御治世要覧」による延享(一七四四―四八)頃の高も同様。「薩藩政要録」では文政九年(一八二六)の用夫一八、「要用集」では嘉永四年(一八五一)の用夫三一。


平島
ひらじま

はは島の南、向島の南東にある島で、面積〇・三一平方キロの平たい島。文久年中(一八六一―六四)の幕府調査団の測量隊が上陸している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「平島」の意味・わかりやすい解説

平島(長崎県)
ひらしま

長崎県西彼杵半島(にしそのぎはんとう)と五島列島(ごとうれっとう)との間に位置する島。西海市(さいかいし)に属する。五島列島に近く、約4キロメートルの相崎瀬戸(あいのさきせと)を隔てて、五島に対峙(たいじ)している。一島一村を形成していたが、1956年(昭和31)西彼杵郡崎戸(さきと)町に編入。2005年(平成17)西海町ほかとの合併により西海市崎戸町平島となった。面積5.49平方キロメートル。第三紀層からなる丘陵性の島で、北西斜面は緩傾斜、南東斜面は急傾斜を示すケスタ状を示す。半農半漁村で生産は振るわず電灯のない島であったが、1963年に電気導入事業が完成した。交通は崎戸島佐世保(させぼ)、友住(ともずみ)(五島)との間にフェリーの便船がある。海洋美に恵まれ西海国立公園に含まれる。人口280(2009)。

[石井泰義]


平島(徳島県)
ひらじま

徳島県東部、阿南(あなん)市の一地区。旧平島村は、1956年(昭和31)那賀川(なかがわ)町となり、那賀川町は、2006年(平成18)阿南市に編入された。中世の平島荘(しょう)の地。平島館跡(ひらじまやかたあと)は室町幕府10代将軍足利義稙(あしかがよしたね)の子義冬(よしふゆ)の居館跡で、そこに阿南市立阿波公方(あわくぼう)民俗資料館がつくられている。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平島」の意味・わかりやすい解説

平島
ひらしま

長崎県西部,五島灘にある島。五島列島北部の中通島の東約 4kmに位置する。西海市の西端にあり,東の江ノ島 (西海市) および五島列島とともに本土から突出する一大半島であったが,その後の沈降によって島となったもの。漁業中心の島で,沿岸で一本釣りが行なわれる。佐世保港,友住港 (新上五島町) との間に定期船がある。西海国立公園に属する。面積 5.92km2。人口 330 (2000) 。

平島
たいらじま

鹿児島県南部,吐 噶喇列島の中部にある島。十島村に属する。最高点 243mのやや平坦な島で,アダン (タコノキの一種) の野生地があり,ナゴランが自生する。住民の大半は半農半漁で,おもな農作物サツマイモ,米など。鹿児島港から定期船が就航。面積 2.08km2。人口 84 (2000) 。

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デジタル大辞泉プラス 「平島」の解説

平島

鹿児島県鹿児島郡十島村、南西諸島トカラ列島に属する島。同列島中央部、薩摩半島の南西約200キロメートル、悪石島(あくせきじま)の北西約21キロメートルに位置する。面積約2.08平方キロメートル。平家の落人伝説があり、島内のあちこちにゆかりの史跡が見られる。

平島(ひらしま)〔岩手県〕

岩手県久慈市侍浜町本波にある無人島。2009年に政府の総合海洋政策本部が策定した「海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針」に基づき、名称付与された離島のひとつ。

平島〔長崎県〕

長崎県北松浦郡小値賀町、美良島の南約1.5kmにある東シナ海の無人島。島の周囲ではオゴノリが採れる。

平島〔沖縄県〕

沖縄県名護市、辺野古崎の東沖に位置する長島の南西約0.4kmに位置する無人島。

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世界大百科事典(旧版)内の平島の言及

【植木[町]】より

…西部にある田原坂は西南戦争の古戦場で,現在は頂上一帯が公園になっている。町の北部に平島温泉(単純泉,45~52℃),宮原(みやばる)温泉(単純炭酸鉄泉,15℃)がある。【松橋 公治】。…

※「平島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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