海洋地殻(読み)カイヨウチカク

デジタル大辞泉 「海洋地殻」の意味・読み・例文・類語

かいよう‐ちかく〔カイヤウ‐〕【海洋地殻】

海洋底を構成する地殻。主に玄武岩からなる。厚さ約6キロメートル。海嶺生成大陸地殻に比べて密度が高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「海洋地殻」の意味・わかりやすい解説

海洋地殻
かいようちかく

海洋地域のとくに深海部における地殻のこと。その厚さは、海水層を除くとどこでもほとんど一様で、わずか6キロメートル程度しかない。大陸の地殻に比べてきわめて薄いことは、アイソスタシーisostasyなどから想像されていたが、人工地震観測によって実際に確かめられたのは1950年ころである。厚さが一様なのは、海洋プレートの一部として中央海嶺(かいれい)で形成される機構に関係があるとされている。海洋地殻の主要部分はいわゆる玄武岩質層からなり、花崗(かこう)岩質層を欠くのが特徴であるが、堆積(たいせき)層のすぐ下は枕状(まくらじょう)溶岩の層であることがグローマー・チャレンジャー号による深海掘削で確かめられている。

[吉井敏尅]

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世界大百科事典(旧版)内の海洋地殻の言及

【地殻】より

…P波の速度は上部地殻で約6km/s,下部地殻で約7km/s,マントル上部で約8km/sである。一方,海洋地殻の厚さは比較的一様で,7km程度である。海洋地殻の主要部のP波速度は約7km/sで,大陸地殻の下部に相当し,大陸地殻の上部に対応する層は存在しない。…

※「海洋地殻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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