日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アンタント・コルディアル
あんたんとこるでぃある
Entente Cordiale フランス語
真摯(しんし)協商、親睦(しんぼく)協商などと訳され、国家間の親善関係成立を意味する。歴史的には、1830年から1834年ごろのイギリス・フランス間の親善関係に由来する。1830年のフランスの七月革命を機にヨーロッパに自由主義的気運が高まり、これに対抗して1832年10月、ロシア、オーストリア、プロイセンが旧秩序維持を再確認する条約を締結した。そのためイギリスのパーマストン外相は、フランスの新王ルイ・フィリップの政府に接近、前述の東欧保守連合に対抗して親善関係を結んだのである。その後1904年に成立したイギリス・フランス協商や、その後の両国の親善関係についてもこのことばが用いられた。
[石井摩耶子]