翻訳|entente
もとは〈了解〉を意味するフランス語の〈アンタント・コルディアルentente cordiale〉の短縮された言葉で,外交用語として,対外事務の遂行や第三国からの軍事的侵略の際の協力など国際的な関係事項に関する特定国家間の協調提携関係をいう。訳語や用例は慣用もあって必ずしも一定していないが,政治学的には以下のように区別される。協商は国家間の条約treaty(国際法にのっとり書面形式で締結された国家間の国際的合意のことで,広義の条約は協約convention,協定agreement,取決めarrangementなども含む)というよりもむしろ非公式な合意をいい,同盟allianceのような武力的援助義務の規定をもたない弾力的な関係である。協商は,したがって,たんに国家の首長間の誓約にすぎないこともあり,また,特定国家間の利害対立が当事国間の条約等の締結によって解決された結果,その当事国間に協調提携関係が生じて成立することもある。協商の事例は19世紀後半から第1次世界大戦前後に多くみられる。イギリス,フランス,ロシアの三国協商(1894年の露仏同盟,1904年の英仏協商,07年の英露協商により成立),日仏・日露協約(1907),第1次世界大戦後のチェコスロバキア,ユーゴスラビア,ルーマニアの3国間に締結された小協商など。この英仏露三国協商は,第1次世界大戦が近づくにつれて,実質的に軍事同盟的傾向を強めていった実例である。
執筆者:義井 博
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