日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンフォーラ」の意味・わかりやすい解説 アンフォーラあんふぉーらamphora ギリシア陶器の一種。「双把手(そうとって)」の意。円筒形の頸部(けいぶ)と大きく膨らんだ胴部、安定した水平の台部、それに頸部から胴部にかけて垂直の二つの把手のある器である。多くはつまみのついた蓋(ふた)があった。ギリシア陶器のなかではもっとも用途の広い器で、水、ぶどう酒、油などの貯蔵用に用いられたほか、上製のものは食卓にも供された。特殊なものに、パンアテナイアの祭典に用いられた底部の細くなった黒絵式のアンフォーラがある。大きく広い胴部は陶画にかっこうの場を提供した。[前田正明] パンアテナイアのアンフォーラ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例