デジタル大辞泉 「いげちない」の意味・読み・例文・類語 いげち‐な・い [形][文]いげちな・し[ク]《近世語》1 人情味がない。薄情である。「―・い、埒らちの明かぬ」〈浄・万古将軍唐日記〉2 厚かましい。貪欲である。「酒呑童子すってんどうしの眷属か、―・い酒好き」〈浄・近江源氏〉3 むごい。むごたらしい。「―・きうきめにあふ事なり」〈洒・玄々経〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「いげちない」の意味・読み・例文・類語 いげち‐な・い 〘 形容詞口語形活用 〙 [ 文語形 ]いげちな・し 〘 形容詞ク活用 〙① 薄情である。冷淡である。いげつない。えげつない。[初出の実例]「ヱヱいげちない、埒の明ぬ、もう爰へ見えたぞや」(出典:浄瑠璃・万戸将軍唐日記(1747)三)② むごい。むごたらしい。同情心がない。[初出の実例]「座敷をつとめて、おそろしき山法師あるひは在郷の熱鉄坊にも出会ひ、いげちなきうきめにあふ事也」(出典:洒落本・男倡新宗玄々経(1751‐64頃))③ 厚かましい。貪欲である。意地汚ない。[初出の実例]「あのの物のいうてゐると、いげちないは男の気、つひ取結びが出来る物」(出典:浄瑠璃・義仲勲功記(1756)二)いげちないの派生語いげちな‐さ〘 名詞 〙 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例