眷属(読み)ケンゾク

デジタル大辞泉 「眷属」の意味・読み・例文・類語

けん‐ぞく【×眷属/×眷族】

血筋のつながっている者。一族の者。身内の者。親族
従者家来配下の者。
「四五百人の所従―に囲繞ゐねうせられて」〈平家・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「眷属」の意味・読み・例文・類語

けん‐ぞく【眷属・眷族】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 血のつながっているもの。親族。一族。うから。やから。
    1. [初出の実例]「飛鳥寺僧賢証、為七世父母六親眷属及広无辺際之与一切有情共成仏道」(出典:瑜伽師地論巻二一跋‐天平二年(730)二月一〇日)
    2. 「あるは妻子、眷属のために作り」(出典:方丈記(1212))
    3. [その他の文献]〔史記‐樊噲伝〕
  3. 従者。家来。配下の者。家の子郎党
    1. [初出の実例]「おのおのふるいけんぞくも、ただ我が君、我が殿のみこそ勝りたれ勝りたれとのみいふも」(出典:栄花物語(1028‐92頃)御裳着)
  4. ( [梵語] parivāra の訳。眷愛隷属の意 ) 仏語。親類師弟の関係にあって互いに相随順する出家、在家の者。狭くは仏の親族、広くは仏の教えを受ける者すべてをいう。
    1. [初出の実例]「眷属猶如雨。遮那坐中央」(出典:性霊集‐一(835頃)遊山慕仙詩)
    2. [その他の文献]〔法華玄義‐六・下〕

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普及版 字通 「眷属」の読み・字形・画数・意味

【眷属】けんぞく

一族の者。〔梁書、侯景伝〕し能く~來せば、~みては其の祿位を保つことを得、きては則ち功名を喪(うしな)はず。君門の眷屬も以て恙無(なか)るべく、妻愛子も、亦たりて相ひらしめん。仍(よ)りて家と爲り、卒(つひ)に親好さん。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「眷属」の意味・わかりやすい解説

眷属
けんぞく

侍者、従者、随伴者、取り巻きの者のこと。サンスクリット語のパリバーラparivāraの漢訳語。仏や菩薩(ぼさつ)の眷属は、薬師仏(やくしぶつ)における十二神将、不動明王(みょうおう)の八大童子、普賢(ふげん)菩薩の十羅刹女(じゅうらせつにょ)、千手観音(せんじゅかんのん)の二十八部衆などの脇侍(きょうじ)についていうほか、弟子や従者、広く仏の法を受ける者すべてをさす。また狭義には親族、身内の意で用いられる。

[藤井教公]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「眷属」の意味・わかりやすい解説

眷属
けんぞく
parivāra

仏教用語。親しく従う者,妻子や従僕をいう。あるいは仏,菩薩につき従う者,すなわち脇侍,随順する諸尊などをいう。一般には,一族,親族,さらに郎党をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の眷属の言及

【神使】より

…神の使いや神と特別な関係のある動物をさす。眷属,霊獣ともいう。代表的な例として,京都・伏見稲荷大社の狐,滋賀・日吉大社の猿,京都・護王神社の猪,奈良・春日大社,茨城・鹿島神宮の鹿,奈良・大神(おおみわ)神社の蛇,和歌山・熊野三社の烏,島根・出雲大社の鶺鴒(せきれい),埼玉・三峯神社の山犬など,種々の動物が神使となっている。…

※「眷属」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」