イブキスミレ(読み)いぶきすみれ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イブキスミレ」の意味・わかりやすい解説

イブキスミレ
いぶきすみれ / 伊吹菫
[学] Viola mirabilis L.

スミレ科(APG分類:スミレ科)の多年草。根元に枯れた托葉(たくよう)が鱗片(りんぺん)状に残り、根は細く堅い。花の開き初めは地上茎が短いが、果期には直立する茎が高さ15センチメートルほどになる。花は淡紫色で4~5月に開き、花柱に毛はないが側弁内部の白毛が目だつ。北海道の一部、本州中部地方の半日陰地などに点々と生育し、ユーラシア温帯に広く分布する。名は、日本で初めて採集されたのが滋賀県の伊吹山であることによる。

[橋本 保 2020年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android