いぶり(読み)イブリ

デジタル大辞泉 「いぶり」の意味・読み・例文・類語

いぶり

[名・形動ナリ]
残忍なこと。また、そのさま。
「勇みたけくして―なることあり」〈丹鶴本神代紀・上〉
すねたり、ふてくされたりすること。また、そのさま。
意見をすれば―を出し」〈浄・卯月の紅葉

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関連語 紅葉 名詞 実例

精選版 日本国語大辞典 「いぶり」の意味・読み・例文・類語

いぶり

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 平気で残忍なことをすること。心が荒っぽいこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「いさみたけく不忍(イブリ)にして父母御心にかなはず」(出典神皇正統記(1339‐43)上)
  3. 他人のことばに素直に従わず反抗すること。また、そのさま。すねたり、ぐずったり、ふてくされたりするさま。
    1. [初出の実例]「人にはすねて、いぶりにて 人せせりして 口ききて」(出典:児教訓(15C後‐16C初か))

いぶりの補助注記

について、「近世上方語辞典」は「ゆぶり(揺)」の訛とする。

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