イブンアルハティーブ(その他表記)Ibn al-Khaṭīb

改訂新版 世界大百科事典 「イブンアルハティーブ」の意味・わかりやすい解説

イブン・アルハティーブ
Ibn al-Khaṭīb
生没年:1313-75

ナスル朝宰相ワジール)であり,歴史家詩人グラナダの近郊で生まれ,グラナダで学ぶ。ユースフ1世に仕え,書記官の後1349年宰相位につき,次のムハンマド5世のもとでも宰相位にあったが,王の廃位とともに彼も投獄される(1358・59)。解放後,王といっしょにモロッコに渡る。62年王の復位とともに,宰相位に復したが,宮廷内の陰謀察知,モロッコへ逃れる(1371・72)。しかし,王の死後まもなくグラナダに召喚され,獄死した。モロッコ亡命中にイブン・ハルドゥーンと知りあい,彼のグラナダ移住を歓迎するなど親交を結んだ。また両者は学問上のよきライバルでもあった。歴史,地理,詩,医学など多様な分野の作品を多数執筆したが,代表作は《グラナダ史》。
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367日誕生日大事典 「イブンアルハティーブ」の解説

イブン・アル・ハティーブ

生年月日:1313年11月16日
スペインのアラブ政治家,歴史家,詩人
1374年没

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世界大百科事典(旧版)内のイブンアルハティーブの言及

【マッカリー】より

…マッカリーはその主著《アンダルスの涼しき小枝》によってイスラム・スペイン史の研究に大きな貢献をした。この著作は2部より成り,第1部は8世紀初めのアラブのイベリア征服から,15世紀末のグラナダ陥落に至るまでのイベリア半島の政治・文化史で,第2部は14世紀のグラナダの文人政治家イブン・アルハティーブの伝記である。【湯川 武】。…

※「イブンアルハティーブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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