最新 地学事典 「イベリア黄鉄鉱帯」の解説
イベリアおうてっこうたい
イベリア黄鉄鉱帯
Iberian Pyrite Belt
スペイン南部のセビーヤから西ヘポルトガルまで延長230km,平均幅35km,面積7,800km2にわたり東西にのびる硫化物鉱床帯。スペインのヒューレバ州にあるRio Tinto鉱山は有名。上部デボン系の粘板岩・珪岩,下部石炭系の火山堆積岩類とクルム層(粘板岩・グレイワッケ)からなり,バリスカン変動で南へ等斜褶曲し弱変成。鉱床は海底火山活動による珪長質火山岩(石英ケラトファイアー・Na流紋岩)・同砕屑岩を下盤,炭酸塩質頁岩・凝灰岩を上盤とする塊状・網状・鉱染状鉱体で,黄鉄鉱を主としZn・Pb・Cu・Au・Agを伴う。おもな鉱床は東からAznalcollar(5,000万t, Cu0.44%, Pb1.74%, Zn3.33%), Rio Tinto(塊状鉱5億t, Cu0.7%, Zn0.24%;網状鉱6,000万t, Cu1.1%;ゴッサン2,000万t, Au2.5ɡ/t, Ag47ɡ/t), La Zarza(1.17億t, Cu0.7%, Zn1.3%, Pb0.8%), Sotiel(4100万t, Cu0.62%, Zn4.27%, Pb1.34%), Tharsis(3.5億t, Cu0.65%, Fe40%)(以上スペイン);Aljustrel(1.8億t, Cu1%), Gaviao(2,500万t, Zn3.5%, Cu1.5%), Neves Corvoなど(以上ポルトガル)。紀元前8世紀からゴッサン中のAu・Agや少量のCuを採掘,19世紀半ばから本格的開発,西欧における主要なCuと硫酸の供給基地となった。総鉱量は15億tとされる。
執筆者:矢島 淳吉
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

