化学辞典 第2版 「イミノエーテル」の解説
イミノエーテル
イミノエーテル
imino ether
次の構造式をもつ化合物.イミドエーテル(imido ether),イミノエステル(imino ester),イミド酸エステル,イミダートともいう(Rはアルキル基).酸アミドの互変異性体であるイミド酸のエステルである.ニトリルとアルコールを等モル混合したエーテル溶液に塩化水素を通すとイミノエーテル塩酸塩が得られる.
RCN + R′OH + HCl → RC(=NH・HCl)OR′
加熱するとニトリルとアルコールに分解する.
RC(=NH)OR′ → RCN + R′OH
塩酸塩は加熱すると酸アミドと塩化アルキルになり,水で分解するとエステルになる.
RC(=NH・HCl)OR′ + H2O → RCOOR′ + NH4Cl
また,塩酸塩にアルコールを作用させるとオルトカルボン酸エステルが生成する.
RC(=NH・HCl)OR′ + 2R′OH → RC(OR′)3 + NH4Cl
アルコール性アンモニアで処理するとアミジンを生じる.
RC(=NH・HCl)OR′ + NH3 → RC(=NH)NH2・HCl + R′OH
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報