イミプラミン(英語表記)imipramin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イミプラミン」の意味・わかりやすい解説

イミプラミン
imipramin

代表的な三環系抗うつ剤。内因性うつ病患者の抑うつ状態を取除くが,思考力や集中力の低下,抗不安作用も認められる。作用機序は中枢の視床下部,辺縁系,網様体での神経細胞から遊離した伝達物質のカテコールアミン,インドールアミンなどの再取込みの抑制による伝達物質の活性を持続延長させることにあるといわれ,一部,抗コリン作用の関与も考えられている。抗ヒスタミン,抗セロトニン作用も認められている。体内で側鎖の脱メチル化が起り,デスメチルイミプラミンと三環系抗うつ剤に属する活性代謝物となる。副作用には,ねむけ,かすみ目,口渇便秘,眼圧亢進,起立性低血圧,錐体外路症状,黄疸などがある。 MAO (モノアミン酸化酵素) 阻害薬との併用は,全身けいれん,発熱,振戦などの症状を起すので禁忌である。

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