側鎖(読み)そくさ(英語表記)side chain

翻訳|side chain

日本大百科全書(ニッポニカ)「側鎖」の解説

側鎖
そくさ
side chain

鎖式化合物(脂肪族化合物)の主鎖(もっとも長い鎖)から枝分れしている炭素鎖をいう。鎖式化合物の場合は、もっとも炭素数の多い直鎖を探し出してそれを主鎖と定め、主鎖から枝分かれして結合している鎖を側鎖という。たとえば次に示す3,4-ジメチルヘキサンの構造式では、最長の鎖は黒色で示したヘキサンで、これが主鎖になる。この主鎖から枝分かれしている赤色で示した二つのメチル基(3-と4-の位置についている)が側鎖である。


 環式化合物では、通常、環に結合している鎖式の炭素基を側鎖という。たとえばの(1)のシクロペンタンは側鎖として2-クロロエチル基をもつ。の(2)の2-フェニルエタノールは2-ヒドロキシエチル基を側鎖としてもつ芳香族化合物である。の(3)のトルエンのように側鎖をもつ芳香族化合物では、芳香環ではなく側鎖が反応をおこすこともある。光を当てながらトルエンを塩素化すると、側鎖のメチル基の水素が塩素原子に置換されて塩化ベンジルが生成する。

[佐藤武雄・廣田 穰]


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化学辞典 第2版「側鎖」の解説

側鎖
ソクサ
side chain

鎖式化合物において,もっとも炭素数の多い炭素鎖,または主官能基のある炭素鎖を主鎖といい,それから枝分れしている炭素鎖を側鎖という.また,環式化合物においては環に結合している炭素鎖をいう.たとえば,4-エチルヘプタンのエチル基,2-プロピル-1-ヘキサノールのプロピル基エチルベンゼンのエチル基は,それぞれ側鎖である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

精選版 日本国語大辞典「側鎖」の解説

そく‐さ【側鎖】

〘名〙 鎖状化合物で主鎖から分枝している炭素鎖。環式化合物では、環についている脂肪族の炭素鎖をいう。〔稿本化学語彙(1900)〕

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