イモビライザー(読み)いもびらいざー(英語表記)Immobilizer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イモビライザー」の意味・わかりやすい解説

イモビライザー
いもびらいざー
Immobilizer

自動車盗難防止装置の一つ。電子的なキー(鍵)の照合システムを用いることによって、専用のキー以外でのエンジン始動を不可能にして盗難を防止する。従来のキーを用いるシステムでは、キーを複製したり、配線を加工することでエンジンを始動し、車を盗むことが可能であった。この対策として導入された。イモビライザーは個別のIDコードを備えたICチップトランスポンダー)を内蔵したキー本体と、それを読み取るための車載コンピュータによって構成され、コンピュータが正しいキーであると判断した場合のみエンジンが始動可能になる。したがって同じ形状に複製したキーを使用しても、内部のICチップに書き込まれたIDコードデータが一致しないと、エンジンの始動はできない。イモビライザーのスペアキーを製作するためには、正規販売店においてメーカーが定めた手順に沿って行うことが必要である。イモビライザーは、リモコンキーやカードキーなどと併用して備えられることが多い。ヨーロッパ連合EU)では、1998年からイモビライザーの装着新車に義務づけられており、日本においても標準装着の車種数が急増している。

[伊東和彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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