ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イワン・イリイッチの死」の意味・わかりやすい解説 イワン・イリイッチの死イワン・イリイッチのしSmert' Ivana Il'icha ロシアの作家 L.トルストイの小説。 1886年発表。作者が『アンナ・カレーニナ』完成後,10年近い沈黙を破って発表した作品。死の病魔におかされて,恐ろしいまでの孤独と恐怖,不安と懊悩に責めさいなまれながらこの世を去っていく司法官吏イワン・イリイッチの苦悩を通じて,「死」のもつ深刻な哲学的意味を探り,そのことによって逆に,生者がいかにエゴイスチックに,偽善的に,非人間的に行動しているかを鋭くえぐったもので,「人生いかに生くべきか」をあらためて深く考えさせる作品となっている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by