インドフェニン反応(読み)インドフェニンはんのう(その他表記)indophenine reaction

改訂新版 世界大百科事典 「インドフェニン反応」の意味・わかりやすい解説

インドフェニン反応 (インドフェニンはんのう)
indophenine reaction

チオフェンイサチンと濃硫酸とを作用させるとインドフェニンを生成して青色を呈する反応をいう。チオフェンの活性α水素とイサチンのカルボニル基との脱水縮合反応であり,呈色はきわめて鋭敏で,痕跡量(0.001%)のチオフェンの検出にも利用できる。



 初めA.バイヤーによってベンゼン呈色反応と考えられたが,のちにV.マイヤーによって当時の粗製ベンゼン中のチオフェンの呈色反応であることが明らかにされた。チオフェンの水素原子が他の基で置換されると,その置換基により呈色も異なる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インドフェニン反応」の意味・わかりやすい解説

インドフェニン反応
インドフェニンはんのう
indophenine reaction

イサチンチオフェンを濃硫酸とふり混ぜたとき,青色のインドフェニンが生成する反応で,チオフェンの検出に利用される。

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世界大百科事典(旧版)内のインドフェニン反応の言及

【イサチン】より

…また,硫酸中ではチオフェンと反応し深青色を呈する。この反応はインドフェニン反応といい,チオフェンの検出に用いられる。アニリンとクロラールおよびヒドロキシルアミンとを縮合させて合成される。…

【チオフェン】より

…水には溶けないが,通常の有機溶媒には可溶。イサチンと濃硫酸を作用させると青色を呈する(インドフェニン反応という)。非常に安定で,850℃に加熱しても分解しない。…

※「インドフェニン反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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