日本大百科全書(ニッポニカ) 「イサチン」の意味・わかりやすい解説 イサチンいさちんisatin 環内に窒素原子を含む複素環式化合物の一つ。1H-インドール-2,3-ジオンともよばれる。容易に相互変換するラクタム形とラクチム形の平衡混合物として存在する。ラクチム形をψ(プサイ)-イサチンとよぶ。 黄赤色結晶で昇華性がある。冷水には溶けにくく、熱水、熱エタノールに溶けるが、エーテルには難溶である。加熱すると加水分解してイサチン酸になる。バット染料(建染(たてぞ)め染料)の中間体、銀および銅の検出試薬としての用途をもつ。[廣田 穰][参照項目] | バット染料[補完資料] | イサチン(データノート) イサチン(データノート)いさちんでーたのーと イサチン 分子式 C8H5NO2 分子量 147.1 融点 203.5℃ 沸点 (昇華)[参照項目] | イサチン 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イサチン」の意味・わかりやすい解説 イサチンisatin 化学式 C8H5NO2 。黄赤色結晶で融点 204℃。銀や銅イオンの検出,ベンゼン中の微量チオフェンの比色定量に用いられる分析試薬。合成化学上の用途はあまりないが,ラクタム-ラクチム互変異性体として構造上興味ある物質である。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報