ウィドマンシュテッテン模様(読み)ウィドマンシュテッテンもよう(英語表記)Widmanstätten pattern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ウィドマンシュテッテン模様
ウィドマンシュテッテンもよう
Widmanstätten pattern

固相反応,特に離溶現象に伴って生じる定方向性結晶組織の一つ。ある鉱物結晶面に沿って,葉片状板状などを呈して他鉱物が配列したときの模様で,磁鉄鉱の {111} 面上に沿って相互に 60度に交わるチタン鉄鉱の格子配列はよく知られている。鉄隕石にもよく見られる。これは鉄-ニッケル合金のγ相であるテーナイトが徐冷されるとき,その面心格子 {111} に平行にα相であるカマサイトを析出するため現れる。いくつかの人工合金にもこの模様が見られる。これを発見者の名によりウィドマンシュテッテンの組織という。発見者 A.J.ウィドマンシュテッテン (1754~1849) はウィーンの科学者で,鉄隕石の研究でこれを見出した (08) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android