鉄隕石(読み)てついんせき(英語表記)iron meteorite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鉄隕石
てついんせき
iron meteorite

鉄-ニッケル合金を主成分とする隕石。落下時の目撃例は少いが,落下後の発見例は多い。これらのなかには南西アフリカで発見されたホーバ鉄隕石のように全重量が 60tもあるようなものがある。鉄隕石のおもな構成鉱物は鉄-ニッケル合金 (カマサイトテーナイト) ,石墨トロイライト,シュライバーサイト (Fe,Ni)3P などである。現在では鉄隕石の組織と化学組成 (特にニッケル,ガリウム,ゲルマニウム,イリジウム) をもとにいくつかの分類が行われている。特に古くから行われた組織上の分類は八面体晶隕鉄六面体晶隕鉄塊状隕鉄である。八面体晶隕鉄にはウィドマンシュテッテン模様と呼ばれる三角形ないし平行四辺形の縞状模様がみられ,六面体晶隕鉄には弱い衝撃によってつくられたと考えられるノイマン線と呼ばれる細い線がみられる。塊状隕鉄は前二者のような特別の組織を示さないもので,冷却速度が比較的速かったものと考えられている。

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百科事典マイペディアの解説

鉄隕石【てついんせき】

主として鉄‐ニッケル合金からなる隕石。隕鉄とも。ニッケル含有量により,4〜6%のヘキサヘドライト,6〜14%のオクタヘドライト,14%以上のアタキサイトに大別される。金属面をエッチングすると合金の境界面の構造を示すウィドマンシュテッテン模様が現れる。これは高温で徐冷された証拠。
→関連項目鉄鋼

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世界大百科事典 第2版の解説

てついんせき【鉄隕石 iron meteorite】

隕石の一種。別名隕鉄ともいう。大部分がニッケル・鉄合金(約98.34%)からなり,このほかに少量のシュライバーサイト(Fe,Ni,Co)3P(1.12%),コーエナイトFe3C(0.42%),トロイライトFeS(0.12%)および石墨C(まれにダイヤモンド)を含む。きわめてまれにドーブレライトFeCr2S4,ローレンサイトFeCl2などが含まれることもある。比重は7~8。落下数は,隕石全体の5~6%程度であるが,地表岩石との区別が容易なため発見率が隕石中で最も高い。

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