日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウィラモウィッツ・メーレンドルフ
うぃらもうぃっつめーれんどるふ
Ulrich von Wilamowitz-Moellendorff
(1848―1931)
ドイツの古典学研究の泰斗。今日のポーランドのポズナニ近くに生まれ、ボン、ベルリン大学で研鑽(けんさん)を積んだのち、グライフスワルト(1876)、ゲッティンゲン(1883)、ベルリン(1897)各大学の教授となる。ノーベル文学賞を受賞したローマ法学者モムゼンの娘と1878年に結婚。深遠な学識と強靭(きょうじん)な構想力で古代ギリシアの文学、歴史、哲学、さらに碑文学、韻律研究、テキスト批判など古典研究の全分野にわたり画期的業績をあげた。ギリシアの詩や悲劇の優れた翻訳も残している。なお、古典研究の方法をめぐる彼とニーチェの間で展開した論争は有名で、その影響は今日にも及んでいる。
[真下英信]