うたがたも(読み)ウタガタモ

デジタル大辞泉 「うたがたも」の意味・読み・例文・類語

うたがた‐も

[副]《平安時代以後「うたかたも」とも》
必ず。きっと。
「離れに立てるむろの木―久しき時を過ぎにけるかも」〈・三六〇〇〉
(打消しや反語表現を伴って)決して。
天離あまざかひなにある我を―ひも解きけて思ほすらめや」〈・三九四九〉

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精選版 日本国語大辞典 「うたがたも」の意味・読み・例文・類語

うたがた‐も

〘副〙 (「うたかたも」とも。→うたかた)
① 不確かではあるがおそらく。きっと。
万葉(8C後)一二・二八九六「歌方毛(うたがたモ)言ひつつもあるかわれならば地(つち)には落ちじ空に消(け)なまし」
② 打消や反語による否定の表現を伴って、その否定の意味を強める。「うたがたにも」の形もある。決して、きっと…まい。うたかた。→うつたえに
※万葉(8C後)一七・三九六八「鶯の来鳴く山吹宇多賀多母(ウタガタモ)君が手触れず花散らめやも」

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