出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
反語には、次の二つの場合がある。一は、いいたいことを平叙文の形で述べずに、表現を強調するためにわざと疑問文の形で、「そんなことが許されてもいいものだろうか」と述べる場合である。「そんなことは許されない」と平叙の形で述べるよりも、表現が強くなる。文法などで「反語」というときは、つねにこの意味で、英語のrhetorical question(修辞疑問)に該当する。
二は、真にいいたいことと反対の意味をもつことばを使うことによって、皮肉・非難・軽蔑(けいべつ)の意を込める場合である。みるからにみすぼらしい服装をみて、「りっぱな身なりをしていらっしゃる」などといい、英語のironyに該当する。
第一の問いかけの反語は、だれにでも真意を理解してもらえるが、第二の正反対の表現をする反語は、その真意を理解してもらえないことがある。たとえば、「あんなよい人はいない」といったとき、当人が悪徳の限りを尽くしている人物であることを思い浮かべて、その表現が反語であることを理解する人もいるが、反語であることに気づかずに、話し手のほうをかえってうそつきだと誤解する人もいる。また、ことばどおりに真(ま)に受ける人もいる。この第二の反語は、普通、書かれた文章では、文脈に生ずる違和感によって察知される。話しことばでは、話し手の声の調子、表情、身ぶり、人柄、表現内容のあり方などによって察知される。
[山口仲美]
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新