改訂新版 世界大百科事典 「ウレンゴイガス田」の意味・わかりやすい解説
ウレンゴイ・ガス田 (ウレンゴイガスでん)
Urengoi
ロシアの西シベリア低地北部(チュメニ地方),北極圏のすぐ南方に位置するガス田。1966年に発見され,西欧と結ぶパイプラインも完成し,ヨーロッパ大陸にガスを輸出している。可採埋蔵量は約9.5兆~10兆m3と推定されており,世界最大のガス田である。集ガス構造は,最大長200km,幅20~40kmという巨大なもので,白亜紀中期の厚いガス層が分布する。このガスは,根源岩の分解によるものだけでなく,メタン分解バクテリアによって生成された生物起源のものが含まれる。深部には油層の存在も確認されている。チュメニ地方では少なくとも43の大ガス田と41の油田が発見されており,とくに巨大なものとしては,本ガス田のほかに,ヤンブルグYamburgガス田(可採埋蔵量4.8兆m3),ザポリヤルノエZapolyarnoyeガス田(同3.4兆m3),メドベジエMedvezhyeガス田(同2.1兆m3),オレンブルグOrenburgガス田(同1.8兆m3)があげられる。同地方のガスの埋蔵量は旧ソ連全体(約56兆m3)の70%以上を占めると推定されている。
執筆者:加藤 正和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報