最新 地学事典 「ウーライト」の解説
ウーライト
oolith
一般にウーイド(ooids)が主構成の石灰岩のことをいうが,ウーイド粒子(oolith。lithは岩石を意味し,ふさわしくない)を表す用語としても使われることがある。魚卵状石灰岩,鮞(じ)状石灰岩とも。ウーライトは,核(nucleus)となる鉱物や生物遺骸の砕屑片の上に,µm単位の同心球状のラミナをもつ殻(coated layer, cor-tex)が発達する,直径2mm以下のあられ石や高マグネシウム方解石からなる球状粒子。珪質,赤鉄鉱質,マンガン質のほか,ボーキサイトにも同様の構造をもつ球状粒子が知られている。2mmを超す大きい粒子をピソイド(豆石とも)と呼んで区別し,ピソイドが主構成の岩石をピソライト(pisolite)という。石灰岩の場合,現在この粒子が形成されつつある場所は,バハマ諸島,ペルシア湾南岸など数ヵ所の,暖かくて浅い,海水の流動の激しい環境に限られているが,第三紀以前には年代的にも地域的にも非常に多く広域にわたる記載がある。気候帯や地球環境の変化を研究する情報をもつ岩石として注目されている。ウーライトの成因には無機化学的沈殿説と,ラン藻類のような微生物による形成説があり,両型があるとする研究者もいる。ウーライトが含まれている石灰岩を総称してoolitic limestoneと呼ぶが,この場合,ウーイドの量もミクライト基質かスパーライトセメントかも問題にしないで扱われてきた。
執筆者:礒見 博・沖村 雄二
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

