日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーライト」の意味・わかりやすい解説
オーライト
おーらいと
oolite
堆積(たいせき)物あるいは堆積岩に含まれる魚の卵に似た球状の粒子。ウーライトとも表記する。径0.5~2ミリメートルのものが多く、同心球状の構造をもつ。シリカ(二酸化ケイ素)、鉄、マンガンを主成分とするものがあるが、炭酸カルシウムからなるものがもっとも普通である。これが多量に含まれている石灰岩は、魚卵状石灰岩あるいは鮞状(じじょう)石灰岩(または単に鮞状岩)とよばれる。フロリダ、バハマ諸島、キューバやエジプトの沖の現世石灰質堆積物中にもみいだされている。比較的強い海流のある浅い暖海域で、生物の石灰質殻(かく)の細かな破片や他の非生物源粒子を中心核として、その周りに、海水から無機化学的に沈殿した細粒のあられ石の結晶が集積して形成されたと考えられている。
[斎藤靖二]