ウール県(読み)ウール(その他表記)Eure

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウール県」の意味・わかりやすい解説

ウール〔県〕
ウール
Eure

フランス北西部,オートノルマンディー地域 (レジオン) の県。パリ盆地西部にある。県都エブルー。全体として白亜層のゆるやかな丘陵地で,セーヌ川,リール川と支流ウール川,イトン川などの河谷がこれを刻んでいる。セーヌ北東側はベクサン地方で,コムギ,テンサイ栽培の大農地区。セーヌ川とウール川の河間地帯は森林におおわれた台地。ウール川南方はサンタンドレ平原,東方はヌブール平原で,黄土におおわれた肥沃耕地。上質の牧草による家畜飼育も盛ん。西方のリール川両岸に広がるウーシュ地方の黄土に欠けるやせた土地の農業と対照的である。西側県境に沿うリューバン地方には黄土におおわれた豊かな農村地帯が広がり,リール川とセーヌ川の間はルーモア地方と呼ばれ,広い森林の間に小農園が散在している。工業はルーアンの繊維工業勢力下にあるアンデリの谷の綿紡績ルービエ毛織物を主とし,乳製品工業がこれに次ぎ,金属・機械・化学工業のほか,皮革加工,楽器製造などもある。面積 6040km2。人口 51万 3818 (1990) 。

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