エウァンドロス(その他表記)Evandros

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エウァンドロス」の意味・わかりやすい解説

エウァンドロス
Evandros

古代ローマの伝説中の英雄。ヘルメスアルカディアのラドン川の娘であるニンフのテルプサの間に生れ,母とともにギリシアからラチウムに移住して,のちにローマの場所となるパラチヌス丘上にパランテウム市を築き,王となって住民の教化に努めた。アイネイアストロイの落ち武者たちを連れ,ラチウムに来たときは,あたたかく迎えて同盟を結び,援助を惜しまなかったという。ローマの古い女神カルメンティスは,エウァンドロスの母のニンフの別名にほかならず,その他ケレス,ネプトゥヌスファウヌスなど多くの神々の祭祀が,彼によりアルカディアからラチウムにもたらされたと信じられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエウァンドロスの言及

【エウアンデル】より

…ローマ伝説中の人物。ギリシア名エウアンドロスEuandros。トロイア戦争の60年前に,ギリシアのアルカディア地方から領民を率いてイタリアに渡り,のちのローマ市の一画にパランテウム市を建設した。…

※「エウァンドロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android