日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネプトゥヌス」の意味・わかりやすい解説
ネプトゥヌス
ねぷとぅぬす
Neptunus
古代ローマの神。英語はネプチュンNeptune。早くからギリシア神話のポセイドンと同一視されていたために、本来の性格が完全に失われてしまい、漠然と海神とされている。7月23日の祭礼「ネプトゥナリア」が古くから行われていることから、この神がローマの最古の神に属していることがわかる。暑い盛りのこの祭日には、「日よけ」umbraeとよばれる小屋が木の枝葉でつくられたが、その祭儀の内容はまったく不明である。ネプトゥヌスがもともと水神であったらしいことから、暑い季節、つまり収穫の直前に水を祈願した祭礼であろう。彼の配偶神としては女神サラキアSalāciaが知られている。
[伊藤照夫]