化学辞典 第2版 「エキシマー」の解説
エキシマー
エキシマー
excimer
励起二量体ともいう.励起状態のみに現れる会合分子である.発見の端緒になったピレンについて説明すると,希薄溶液では390 nm 付近に蛍光スペクトルを示すが,濃度の増加(10-2 mol dm-3 以上)に伴って,約480 nm に最大値をもつ新しい蛍光が現れ,前者のスペクトルは弱くなる.吸収スペクトルはほとんど濃度依存性を示さないことから,励起二量体と命名された.ペリレン,コロネンなどにも同様の現象があり,溶液以外にもプラスチックや結晶で発見されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報