化学辞典 第2版 「ペリレン」の解説
ペリレン
ペリレン
perylene
peri-dinaphthalene.C20H12(252.32).縮合多環式芳香族炭化水素の一つ.石炭タール中に含まれる.2,2′-ジヒドロキシ-1,1′-ジナフチルの塩化アルミニウムによる閉環,1,8-ジヨードナフタレンの銅粉による縮合,などの方法によって合成できる.青銅色の結晶.融点273~274 ℃,沸点350~400 ℃.密度1.35 g cm-3.酢酸,クロロホルムに可溶,エタノール,アセトンに難溶,水に不溶.溶液はλmax 430~500 nm の青色の強い蛍光を示す.350~400 ℃ で昇華する.キノン類などと安定なπ錯体を形成する.ある種の建染め染料の原料となる.[CAS 198-55-0]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報