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励起状態 れいきじょうたいexcited state

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

励起状態
れいきじょうたい
excited state

量子力学において,エネルギー一定定常状態のうち,エネルギーが最低である基底状態を除いた状態をいう。基底状態にある原子に光や電子などの粒子を当ててエネルギーを与えると,励起状態に移る。励起状態にある原子は,一定の時間 (寿命) 内に光を放出して,より低いエネルギーの励起状態または基底状態に遷移する。これによって,原子のスペクトルを説明することができる。原子核については,事情はほぼ同様であるが,素粒子については,特別な考察が必要である。

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デジタル大辞泉の解説

れいき‐じょうたい〔‐ジヤウタイ〕【励起状態】

量子力学的な系の原子分子などのとりうる状態のうち、最もエネルギーの低い基底状態よりもエネルギーが高い状態。この状態にある原子分子は、ふつう光を放出してより低いエネルギー状態へ移行する。

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世界大百科事典 第2版の解説

れいきじょうたい【励起状態 excited state】

量子力学的な系について,エネルギーのもっとも低い状態を基底状態と呼び,それよりエネルギーの高いものを一括して励起状態と呼ぶ。この呼名は系をよりエネルギーの高い状態に上げることを〈励起する〉というところからきている。多くの場合,基底状態の近くで系がとり得るエネルギー値はとびとびであり,下から順に第一励起状態,第二励起状態……と呼ばれる。高い励起状態のエネルギー値は連続になることが多い。【江沢 洋】

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大辞林 第三版の解説

れいきじょうたい【励起状態】

量子力学的な系の定常状態のうち、最低エネルギー状態(基底状態)より大きなエネルギーをもつ状態。励起状態にある系は、光を放出したりして、より低いエネルギーの励起状態や基底状態に移る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

励起状態
れいきじょうたい
excited state

量子力学的な系について、基底状態より高いエネルギーの状態をいう。量子力学的な系とは、原子や分子、固体の中の電子など、また原子核や素粒子など、ニュートン力学によってではなく、量子力学を用いて扱わねばならない系のことである。その一般的特徴は、系のとりうるエネルギーがとびとびの値に限られることで、エネルギーのもっとも低い状態(基底状態)とその上の状態(第一励起状態)、さらにその上の状態(第二励起状態)などとは、有限のエネルギー差をもち判然と区別できる。たとえば、塩化水素分子の回転運動は(2/2I)J(J+1)(J=0,1,2,……,はプランク定数を2πで割った商、Iは分子の慣性能率)という値のエネルギーでのみおこり、J=0の基底状態と、J=1の第一励起状態の間には2/Iだけのエネルギー差があるので、塩化水素の気体で分子どうしが衝突しても、激しい衝突でない限り分子が回転を始めることはない。励起状態にある原子や分子は多くの場合、光を出して基底状態に落ちる。原子核ならγ(ガンマ)線やβ(ベータ)線を出し、中性子などを放出することもある。[江沢 洋]
『江沢洋著『現代物理学』(1996・朝倉書店) ▽江沢洋著『量子力学1、2』(2002・裳華房)』

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世界大百科事典内の励起状態の言及

【エネルギー準位】より

…定常状態を単にエネルギー準位という場合もある。最低のエネルギー準位に対応する状態を基底状態,それより高いエネルギーの状態を励起状態という。励起状態はある平均寿命で下の状態に遷移するので,準位は不確定性原理による幅をもつ。…

【原子】より

lが0,1,2,……の状態を,分光学的な起源をもつ記号s,p,d,……で表す慣習があり,1sのsはこれによるものである(これについては〈原子スペクトル〉の項目に詳しく述べてある)。 基底状態以外の定常状態は励起状態と呼ばれ,とくに,エネルギーのもっとも低い励起状態は第一励起状態と呼ばれる。水素原子の第一励起状態のエネルギーは,ボーアの原子模型のn=2の状態のエネルギーと一致する。…

※「励起状態」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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