エゾオオカミ(読み)えぞおおかみ(英語表記)Ezo wolf

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エゾオオカミ」の意味・わかりやすい解説

エゾオオカミ
えぞおおかみ / 蝦夷狼
Ezo wolf
[学] Canis lupus hattai

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。かつて北海道にたくさんいたオオカミの1亜種。体長1.2~1.3メートル。体毛は厚く灰褐色頭骨や歯がロシア連邦のウスリー地方や朝鮮半島のオオカミよりも大きい。ウマなどの家畜に対する害獣として駆除され、1900年(明治33)ごろ絶滅。剥製(はくせい)が北海道大学に2点、頭骨が大英博物館に1点しか残っていない。しかし樺太(からふと)(サハリン)にいるオオカミはこの亜種ではないかといわれる。

今泉吉典

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百科事典マイペディア 「エゾオオカミ」の意味・わかりやすい解説

エゾオオカミ

オオカミ

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世界大百科事典(旧版)内のエゾオオカミの言及

【オオカミ(狼)】より

…ヨーロッパからシベリア南部を通りアムールまでの森林地帯にすむヨーロッパオオカミC.l.lupusは,さらに大きく肩高67~83cm,体側毛は5cm前後で前亜種と異ならないが,毛色は灰褐色で黄色を帯びない。1900年ころ絶滅した北海道のエゾオオカミC.l.hattaiは前亜種と同大であるが,毛色や吻の長いところはチベットオオカミに似ている。サハリンに現存するのはこの亜種らしい。…

【ニホンオオカミ(日本狼)】より

…その原因は狂犬病やジステンパーの流行,開拓の進行と餌のシカの減少が複合的に作用したものとみられている。 なお,北海道に分布していたエゾオオカミCanis lupus hattaiはタイリクオオカミの1亜種で,体長125cm,尾長34cmほどである。1900年ころ絶滅したといわれている。…

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