日本大百科全書(ニッポニカ) 「エッシェンバハ」の意味・わかりやすい解説
エッシェンバハ
えっしぇんばは
Christoph Eschenbach
(1940― )
ドイツのピアノ奏者、指揮者。エッシェンバッハとも表記される。ブレスラウ(現、ポーランド領ブロツワフ)生まれ。ケルンとハンブルクで学び、1962年ミュンヘン国際コンクールで第2位となり注目される。ウィーン古典派およびロマン派の限られたレパートリーをこなすだけであったが、人材の乏しい第二次世界大戦後のドイツのピアノ界では重要な存在となった。1969年(昭和44)に初来日。1973年から始めた指揮の才能を評価され、1980~1986年チューリヒ・トーンハレ管弦楽団、1982~1986年ウィーン交響楽団の首席指揮者を歴任。1980年代以降は指揮者として活動することが多くなった。1988年から1999年までヒューストン交響楽団音楽監督を務めたのち、1999年からハンブルクを本拠とする北ドイツ放送交響楽団の首席指揮者(2004年まで)、2000年にはパリ管弦楽団の音楽監督(2010年まで)を兼任。2003年フィラデルフィア管弦楽団音楽監督(2008年まで)、2010年ワシントン・ナショナル交響楽団音楽監督に就任した。
[岩井宏之]