大学事典 「エンジニア称号」の解説
エンジニア称号
エンジニアしょうごう
エンジニア(工学系技術者)の資格証明は,歴史的にみれば,産業革命が内発的に進行したイギリスでは同業者団体(学協会)への会員登録によって,ほかの後発諸国では工学士などの学歴取得によっておもになされてきた。後年,技術者の増加にともない,高度な技術者をあらわす称号が求められた。アメリカ合衆国では,責任をともなう技術業務を実施する者の資格として,各州政府が認定するプロフェッショナル・エンジニア(アメリカ)(PE)が1907年に誕生した。イギリスでは,工学系学協会の合議体が認定するチャータード・エンジニア(イギリス)(CEng)が1965年に生まれた。日本では,国家資格である技術士が1957年につくられた。いずれも認定は学歴,実務経験,試験などによる。近年は専門職業人の自由な国際移動の促進を目的に,欧州のヨーロッパ・エンジニア(Eur Ing,1992年)や,アジア太平洋圏のAPECエンジニア(2000年)など,国際的に通用する称号がつくられている。
著者: 塚原修一
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報